2012年10月12日

再注目!マイボーム腺

まぶたの縁にマイボーム腺というものがあるのをご存知でしょうか?

ご自身で確認することは難しい位小さな穴が20個ほど存在しています。

場所は、まつ毛の付け根より更に端のまぶたの縁に並んでいます。

上まぶた、下まぶた、どちら側にもあります。

ここは脂腺で、つまり、油成分を分泌します。

その油分は目の表面に広がり、涙の分布を安定させたり、涙の水分の蒸発を抑えたり、摩擦を減らし、まばたきをスムーズにしたりといった役割があります。

昔から眼科では内麦粒腫、霰粒腫の発生する場所として知られています。

しかし、それ以外ではあまり注目されない場所であったのですが、
最近、このマイボーム腺の機能や構造について、最先端の機器で観察できるようになったために、たくさんの学会発表等、再度注目を浴びるようになりました。

これまではドライアイの研究で脚光を浴びてきたのが、主原因の涙液でした。

ところが涙は正常なのにドライアイ症状(眼の表面の乾燥)の出現する新しいタイプのドライアイの存在が確認され、その機序が少しずつ明かされてきています。

その結果、環境や全身の病気、体調不調(自律神経不調)の関与、使用薬剤の影響、加齢変化、男女差等、
ドライアイは涙のみならず様々な関与因子を総合的に考えなければならない疾患、というのが最近の眼科の共通認識です。

さて、マイボーム腺は脂腺ですので、正常な状態では、軽く押さえると、サラサラした黄色がかった油分がじわっと出ます。

その機能が低下すると、同じことをした場合、油分が固くなり(まるでチューブから固まった歯磨き粉が出るような)液体でなく固体状の油分が出、痛みも出る事もあります。ひどくなれば、開口部に栓をしたようなものに変化します。そして開口部が並んだラインも凸凹になり、炎症を伴うようになれば充血と腫れになってしまいます。

こうした慢性的な炎症によって肉芽となったり、油分を好む細菌を増殖させ炎症を引き起こすと前述の霰粒腫、内麦粒腫となります。

そうならないために、又、涙の安定性を高めたり、疲労回復のために、まぶたのマッサージをお勧めします。

ただし、炎症のない時に行ってください。

炎症が有る時にマッサージするとかえって悪化させますので、くれぐれもお願いいたします

やりかたは蒸しタオルのようなものでまぶたを温め(火傷しない程度に冷ましてから)、優しくまぶたの外側から内側に向かって撫でる位です。

1日1回で充分、入浴時にされてもよいと思います。

女性の方はアイメークでマイボーム腺開口部を塞がないように、まつ毛のラインから内側にはお化粧しないでください。

マイボーム腺の働きは[縁の下の力持ち]、普段はめだたないけれど,なくてはならない存在なのです。
posted by スタッフ at 12:18| 眼科豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする